Research Highlights

思春期が癌の危険因子かも?

Nature Reviews Cancer

2003年7月1日

遺伝的に乳癌になりやすい女性は乳癌の家族歴をもつ場合が多いが、実際に癌の発生を開始させる要因についてはほとんどわかっていない。

回、The New England Journal of Medicine誌(2003年6月5日号)に発表された女性の双生児の疫学的研究によると、遺伝的に乳癌にかかりやすい女性では思春期が乳癌を引き起こす可能性がある。

nn S. Hamiltonとその共著者のThomas M. Mackは、一方または両方が乳癌に罹患した1811組の双生児を対象として、思春期、閉経期および妊娠時の年齢と乳癌の関連を調べた。双生児が2人とも乳癌に罹患した場合、すなわち遺伝性乳癌だと思われる事例では、思春期の開始が早かった女性の方が乳癌の発症が早くなる可能性が 5倍高かった。しかし非遺伝性乳癌の双生児の場合、すなわち双生児のうち1人だけが乳癌に罹患した場合は、思春期の開始年齢は危険度に影響しなかった。 Hamiltonは、「…全体的に見ると、女性の一部集団では思春期に女性ホルモンにさらされて乳癌になる危険性が増す可能性があるのではないか」と述べている(ロイター通信社Reuters Health、2003年6月5日)。

amiltonによれば、「乳癌については知るべきことがまだたくさんあり、遺伝的感受性に関連すると考えられる乳癌症例のすべてが今までに同定された遺伝的要因で説明されるわけではない」(ロイター通信社

euters Health)。「この研究から、今までとは異なる方法で遺伝的要因を探索する際の手がかりが得られる」(ニューヨークタイムズ紙、2003年6月5日)。

doi:10.1038/nrc1133

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