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新旧対抗

Nature Reviews Cancer

2006年2月1日

Advancing forensics with precise target excision: the CellCut Plus laser microdissection instrument

The Lancet (http://www.thelancet.com)に発表されたElizabeth Daveyらの研究によると、米国をはじめ各国で広く導入されている子宮頸癌スクリーニングのための新技術も、既存の技術と同様に正確ではない。

Davey らは既報データのメタアナリシスで、最も重大な子宮頸部の病変を識別する上で、液状細胞診(LBC)が従来のパパニコロー塗沫検査よりすぐれているわけではなく、検査の失敗が減少するわけでもないことを明らかにしている。これは、英国の癌スクリーニングプログラム部長、Julietta Patnickによる「最近の統計は、LBCにより、イギリスで最初にこれを導入した3施設で、不適切な結果の発生率が最大90%低下したことを示している」との言葉とは裏腹である(http://news.bbc.co.uk, 2006年1月13日)。

Daveyらはほかにも、既報の試験56件のうち、両技術を十分に識別する統計的検出力があったものは、わずか4件であったと指摘している。この検出力不足により、Jorg ObwegeserとVolker Schneiderは、「...新技術に熱を上げるあまり、正しい試験デザインを見失うようではいけない」とコメントするに至った(http://www.reuters.com, 2006年1月12日)。

しかし、LBCにはほかに、従来の塗沫法を上回る利点があるとの指摘もある。米国癌協会(ACS)のHerman Kattloveによれば、「皆が液状細胞診に変える理由は、HPV検査を[同時に]実施でき、患者が別の検査を受けに再受診する必要がないためである」(http://www.klastv.com, 2006年1月13日)。また、Julietta Patnickは、「LBCを完全実施すれば、女性は検査結果を早く知ることができるようにもなり、不安や疑念が減る」と指摘している(http://news.bbc.co.uk, 2006年1月13日)。

ニューヨーク大学のStephanie Blankは、この試験に対する反応を要約し、それで「...液状細胞診を取りやめることにはならない」と言う(http://www.klastv.com, 2006年1月13日)。

doi:10.1038/fake870

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