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糖質コルチコイド投与患者の至適管理

Nature Reviews Endocrinology

2008年3月18日

Optimum management of glucocorticoid-treated patients

糖質コルチコイドは、現在でも米国成人の約2%が服用している薬剤である。しかし、投与に際しては、強力な抗炎症・免疫抑制作用によるベネフィットと全身性にもたらされる有害作用とを比較検討することが求められる。 処方は、可能な限り最低用量、最短期間とすべきである。特にプレドニゾ ン約7.5 mg/ 日相当量以上を少なくとも2 ヵ月間継続する場合は、予想される短期・長期の有害作用について患者に知らせておく必要があろう。糖質コルチコイド投与を開始する際には、患者の血圧、脂質プロファイル、 25- ヒドロキシビタミンD3 値、空腹時血糖値、ならびに骨密度のベースライン測定を行い、T スコア≦- 1、または骨折歴のある閉経後女性および男性に対しては、ビスホスホネート療法を開始する。また、白内障や緑内障に対する定期的なスクリーニングも必要であり、胃潰瘍リスクの高い患者、 特に非ステロイド性抗炎症薬併用患者に対してはプロトンポンプ阻害薬を投与する。さらに、臓器移植レシピエント等の感染症リスクの高い患者においては、日和見感染症に対するトリメトプリム・スルファメトキサゾー ル合剤の予防的投与が推奨されよう。最後に、糖質コルチコイドの漸減期間は投与期間にしたがって設定することが望まれる。糖質コルチコイド投与に関連した有害作用の多くは、適切な予防療法の施行により軽減する可能性がある。

doi:10.1038/ncpendmet0791

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