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中枢性甲状腺機能低下症の病態生理に関連するメカニズムと管理

Nature Reviews Endocrinology

2008年10月21日

Mechanisms related to the pathophysiology and management of central hypothyroidism

中枢性甲状腺機能低下症(central hypothyroidism:CH)は甲状腺刺激ホ ルモン(TSH)による甲状腺刺激の不足に起因する甲状腺機能低下症と定義 される。CH ではTSH の分泌または活性が視床下部もしくは下垂体レベルで 障害されている。またCH 患者ではその他複数の下垂体ホルモン欠損症が高 頻度で認められる。視床下部- 下垂体腫瘍やシーハン症候群に起因する古典 的CH のほか、外傷性脳損傷やくも膜下出血、bexarotene(レチノイドX 受 容体アゴニスト)療法、コントロールが不十分なグレーブス病の母親から生 まれた新生児や、リンパ球性下垂体炎といった新たな原因が明らかにされて いる。成長ホルモン療法は、小児にも成人にも用いられるが、現在では同療 法に効果を示す患者においてCH が発症することも認められている。さらに TRHR 、POU1F1 、PROP1 、HESX1 、SOX3 、LHX3 、LHX4 、TSHB 等の遺伝子 変異もCH 発症に関連している。CH を明確に診断する上で難しいのは、CH 患者で血清TSH 値がさまざまな値を示す点である。ほとんどのCH 患者の TSH 値は正常を示し、低下もしくはわずかに上昇を示す症例もある。血中T4 値は低下しているが、正常値下限を示すこともある。T4 補充療法としてのレ ボチロキシンの適切な用量は確立されていないが、遊離T4 値を正常上限ま で上昇させるためには、現在CH 患者に対して経験的に用いられている用量 より多く投与する必要があるかもしれないが、年齢やその他のホルモン欠損 症に応じてその投与量を調節することが求められる。

doi:10.1038/ncpendmet0995

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