CpG オリゴヌクレオチドはマウスモデルの関節リウマチを予防できる
Nature Reviews Rheumatology
2007年11月1日
CpG oligonucleotides can prevent RA in a mouse model
感染症がヒトの関節リウマチ(RA)の発症に関連しており、マウスモデルでは病原体関連分子がRA の発症を促進することが知られている。RA モデルであ るK/BxN マウスにおける病原体のリガンドと受容体に関する研究において、Wu らは、驚くべきことに、非メチル化CpG モチーフを有するいくつかのオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)が、RA の発症を阻 害することを見出した。
K/BxN モデルでは、RA を自然発症するよう遺伝子操作されたトランスジェニックマウスから採取した血清を、非トランスジェニックマウスに注入すると、RA が誘発される。血清注入前にペプチドグリカ ンやリポ多糖類をマウスに投与したところ、RA 発症が促進されたが、ある種のCpG ODN により、RAの発症が抑制された。特に、ODN 1668 を炎症性血清注入前または注入時に投与すると、RA 発症が強く 抑制された。さらに、この分子は、すでに発症した関節炎に対しても治療効果を示した。つまり、ODN1668 はRA の症状を回復させないが、疾患の増悪は予防した。ODN 1668 の関節炎抑制効果は、CD8α+ 樹状細胞上のToll 様受容体TLR9 への結合を介するものであった。これらの細胞が産生するインターロイキン-12 は、ナチュラルキラー細胞を活性化してインターフェロン-γ を産生させ、これにより炎症性 関節への好中球の動員が妨げられて、RA 発症が抑制されたのである。
これらの知見は、抗炎症薬としてCpG ODN を治療に使用できる可能性を示唆するものである。
doi:10.1038/ncprheum0611
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