Review Highlight
自己免疫疾患におけるCD4+CD25+FoxP3+ 調節性T 細胞
Nature Reviews Rheumatology
2007年11月1日
CD4+CD25+FoxP3+ regulatory T cells in autoimmune diseases
末梢組織での免疫寛容の維持は、自己反応性リンパ球とその作用に対抗 する制御機序とのバランスとして捉えられる。自然発生するCD4+CD25+ 調節性T 細胞(TREGs)は、自己反応性細胞の活性化の調節に大きな役割 を果たす。Forkhead box P3(FoxP3)転写因子をTREG の発生と機能の 重要な決定因子と同定したことは、新しい機会となって、ヒトの自己免 疫疾患における自己免疫と制御機序のバランスに関する研究への関心を 広げている。FoxP3 の発現がなく、その結果TREGs が欠損して生じる疾 患をヒトとマウスの両方で特定できたことから、TREG の発生と機能に関 する知識はここ5 年で急速に増大してきた。調節性細胞の機能機序はい まだ明らかではないが、in vitro では病原性T 細胞の活性化を抑制すると 考えられる。in vitro 機能アッセイおよび表現型解析により、さまざまな 自己免疫疾患を有する患者から単離したTREGs は健常対照者から単離し たTREGs に比し、制御機能が低下していることがわかった。本レビュー では、ヒトのTREGs、およびこの細胞と個々の自己免疫疾患との関連性に 関する現時点での認識に焦点を当てることにする。
doi:10.1038/ncprheum0624
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