血清RANKL 濃度により関節リウマチ患者のTNF 阻害薬に対する反応が予測できる
Nature Reviews Rheumatology
2008年3月1日
Serum RANKL levels predict response to TNF antagonists in patients with RA
関節リウマチ(RA)の病態における分子的プロセスには、TNF シグナル伝達経路の重要な3 つの要素が関与している。特に重要なのは、RANKL(破骨細胞 性骨吸収を惹起する膜結合破骨細胞受容体[RANK]のリガンド)、RANK(nuclear factor[ NF] κB 受容体活性化因子)およびオステオプロテゲリンのバラ ンスである。オステオプロテゲリンは、重要な骨再吸収阻害物質であり、可溶性のRANKL へのシグナル伝達を阻止するデコイ受容体として機能する。
González-Alvaro らは、ベースラインで測定したRA 患者のRANKL およびオステオプロテゲリンの血清濃度により、TNF 阻害薬であるadalimumab や インフリキシマブに対する反応の程度が予測できるかどうかを検討した。患者計75 例(大半が慢性難治性RA の女性)を、治療中および治療後7 カ月間評 価した。
大半の患者のベースラインの疾患活動性は重度と考えられ、オステオプロテゲリン濃度は医師が評価した疾患重症度と相関していた。著者らによれば、ベースラインの血清RANKL 濃度およびRANKL 対 オステオプロテゲリン比を、治療に対する反応と比較検討したところ、治療の3 カ月後および7 カ月後に最も高い寛解レベルを達成した患者は、RANKL濃度およびRANKL 対オステオプロテゲリン比が有 意に低く、オステオプロテゲリン濃度は治療後顕著に低下したが、ベースラインのオステオプロテゲリン濃度と治療に対する反応レベルとの間に相関は認められなかったと報告している。
著者らは、血清RANKL 濃度が低く、RANKL 対オステオプロテゲリン比も低いRA 患者は、TNF 阻害薬による治療に最も良好な反応を示す可能性が高いと結論づけた。
doi:10.1038/ncprheum0713
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