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シノビオリン、蛋白折り畳み、関節の恒常性維持

Nature Reviews Rheumatology

2008年2月1日

Synoviolin, protein folding and the maintenance of joint homeostasis

関節痛を伴う疾患である関節リウマチは世界人口のおよそ1%が罹患し、その特異的治療法はいまだない。小胞体(ER)は、とりわけ蛋白の折り畳みに関して重要な役割を果たしている。そのER における折り畳まれていない(構造異常の)蛋白量がER の折り畳み処理能力を超えると、欠陥蛋白はATP 依存ユビキチンプロテアソーム分解プロセスである小胞体関連分解(ERAD)により除去される。シノビオリンはERAD に関与するE3 ユビキチンリガーゼである。この蛋白は関節障害の病原因子であり、関節リウマチの滑膜細胞で過剰に発現する。この過剰発現によって「ERAD 亢進」状態となり、細胞は蓄積した構造異常蛋白を過剰に処理する。関節リウマチ滑膜細胞はサイトカインやプロテアーゼなどのさまざまな蛋白を大量に産生するが、その結果として、細胞が自律的増殖能を獲得するのではないかと考えられる。新たに合成されER で分類されたすべての蛋白のうち、およそ30%以上が構造異常を示す。構造異常蛋白の分解は大量のATP を消費するため、奇妙な(unconventional)プロセスにみえるが、関節の恒常性には必要である。

doi:10.1038/ncprheum0699

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