脊柱管狭窄症に対しては手術の方が保存的治療よりも優れている
Nature Reviews Rheumatology
2008年6月1日
Surgery is superior to nonsurgical treatment for spinal stenosis
脊柱管狭窄症の治療には、腰椎手術が広く行われている。しかし、脊柱管狭窄症に対する外科的治療が保存的治療よりも良好な転帰をもたらすという信頼 性の高いエビデンスはほとんどない。Weinstein らは、米国の多施設共同研究で、脊柱管狭窄症単独症例に対する外科的治療と保存的治療の有効性を2 年間にわたり直接比較した。彼らの結果は、保存的治療よ りも手術が実際に優れていることを示していた。
本研究の対象は、脊柱管狭窄症患者654 例であった。無作為割り付けに同意した289 例のうち、138例を手術、151 例を通常の治療(理学療法、カウンセリング、在宅運動指導、非ステロイド性抗炎症薬) に割り付けた。残りの患者(観察コホート)は無作為割り付けを辞退し、219 例は最初手術を選択して、146 例は通常の治療を選択した。しかし、手術群のうち多くの患者が手術の延期を希望し、保存的治療 群の多くの患者が手術へ方針を転換した。無作為化コホートでは、手術群の67%が2 年間に手術を受け、保存的治療群の43%も手術を受けた。観察コホートでは、手術群の96%が2 年間に手術を受け、通常治 療群の22%も手術を受けた。
Intention-to-treat 解析では、2 年間で手術に有意な有益性があることがShort Form 36(SF-36)身体疼痛スコアで示された。統合(as-treated)解析では、3 カ月後の身体疼痛、身体機能、およびOswestry Disability Index において、手術の方が有意に良好であった。これらの差は2 年後も有意であった。
doi:10.1038/ncprheum0809
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