Primer
2型糖尿病
Nature Reviews Disease Primers
2015年7月23日
Type 2 diabetes mellitus
2型糖尿病(T2DM)は、拡大する世界的健康問題の1つであり、肥満の蔓延と密接に関係している。T2DM患者では、高血糖や個別のインスリン抵抗性症候群(メタボリックシンドローム)が原因となって、細小血管症(網膜症、腎症、神経障害など)および大血管症(心血管共存症など)を発症するリスクがいずれも高い。環境要因(肥満、不健康な食事、運動不足など)や遺伝的要因の影響によって多様な病態生理学的障害が起こり、T2DMにおけるグルコース恒常性異常の原因となっている。インスリン抵抗性とインスリン分泌異常が依然としてT2DMの主な障害となっているが、他にも6つ以上の病態生理学的異常によって、グルコース代謝の調節異常が生じる。T2DMの病理学的異常が多様であることから、正常血糖を維持するためには、さまざまな糖尿病治療薬の併用が必要になる。治療には、有効性と安全性だけでなく、生活の質の改善も必要である。いくつかの新薬が開発中であるが、薬剤に最も必要なことは、インスリン感受性の促進、進行性膵β細胞障害(T2DMの特徴の1つ)の防止、および細小血管症の予防または回復である。
doi:10.1038/nrdp.2015.19
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