原発性副甲状腺機能亢進症
Nature Reviews Disease Primers
2016年5月19日
Primary hyperparathyroidism
原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)はよく見られる疾患で、4つある副甲状腺の1つ以上に副甲状腺ホルモン(PTH)の過剰分泌が生じる。ほとんどの症例で単一良性副甲状腺腺腫が原因になっている。しかし多腺病変がまれというわけではなく、家族性副甲状腺機能亢進症候群では典型的に認められる。通常、単腺病変によるPHPTの遺伝的性質は単クローン性であり、多腺病変の場合は多クローン性である。PHPTに関係する遺伝子にはがん原遺伝子とがん抑制遺伝子がある。高カルシウム血症はPHPTの生化学的特徴である。通常、PTH濃度は明らかに上昇するか、正常範囲内に留まることがあるが、高カルシウム血症例では異常値を示す。現在、正カルシウム血症性PHPTの存在も認められており、この変種では正常な血清カルシウム濃度が維持されるが、明らかな誘発刺激なしにPTH濃度が上昇する。PHPTの臨床所見は多様で、日常診療で生化学的スクリーニングが行われている国で見られる無症候性疾患をはじめ、腎合併症または骨格合併症あるいはその両方を認める典型的な症候性疾患まで存在する。最新の管理ガイドラインは、副甲状腺摘出術と非外科的治療の選択に関する臨床医の意思決定に役立つように改訂されている。このPrimerでは、PHPTの疫学、臨床所見、遺伝学、評価および管理ガイドラインに、特に留意しながらこれらの領域について解説する。
PrimeView
原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)は副甲状腺ホルモンの過剰分泌を特徴とするよく見られる疾患である。このPrimeViewはBilezikianらのPrimerに付随するものであり、単一良性副甲状腺腺腫、多腺病変および副甲状腺がんがPHPTの原因になりうる点ついて解説する。
本Primerの図解サマリー
doi:10.1038/nrdp.2016.33
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