Abstract
高結晶性2次元超伝導体
Nature Reviews Materials
2016年12月20日
Highly crystalline 2D superconductors
近年の薄膜試料作製技術の進歩により、結晶性の高い様々な2次元電子系(ヘテロ界面、分子線エピタキシー法で成長させた原子層、剥離した薄片、電界効果デバイスなど)を作製できるようになった。こうした2次元電子系は、単層の厚さしかないにもかかわらず、従来のアモルファスあるいはグラニュラー構造をもつ金属薄膜と比較して1桁以上低いシート抵抗を示すものもある。我々は、本Reviewで、高結晶性2次元超伝導体の分野における最近の進展について取り上げ、こうした系の新奇な物理的特性にスポットを当てる。特に、量子金属状態、面直磁場中で観測される量子グリフィス相、面内磁場中で増強される上部臨界磁場について議論する。さらに、これらの現象を、高結晶性や空間反転対称性の破れとの関連で詳細に検討する。最後に、高結晶性2次元系は、こうした特異な特性ゆえに、新しい量子物理や高温超伝導体を探索する有望な舞台になりうることを示して締めくくる。
Corresponding author
doi:10.1038/natrevmats.2016.94
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