Primer
不安障害
Nature Reviews Disease Primers
2017年5月4日
Anxiety disorders
不安障害は、ほとんどの欧米社会で最も多い精神疾患の一群であり、能力障害の主要な原因になっている。不安障害の主な特徴には、過度の持続する恐怖をはじめ特定の脅威に対する不安または回避があり、パニック障害もこれに含まれる。個々の不安障害患者の神経生物学についてはほとんど知られていないが、辺縁系の異常、視床下部-下垂体-副腎軸の機能異常および遺伝的要因などが多くに共通して認められている。さらに、不安障害の一般的なリスク因子として、女性や不安の家族歴が知られているが、障害特異的なリスク因子も確認されている。不安障害の診断基準は、個々の障害によって異なるが、「精神疾患の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)」および「疾病及び関連保健問題の国際統計分類第10版(ICD-10)」の2つの最も一般的な分類システムと概ね同じである。公衆衛生上、重要であるにもかかわらず、不安障害の大部分は、経済的に先進国であっても、医療制度から見過ごされているため治療が行われていない。未治療の場合、症状の増悪と寛解を繰り返して障害が慢性化することが多い。 不安障害に関連する機能障害は、役割機能の制限から、ひきこもりなどの重度の障害に及ぶ。
PrimeView
不安障害は、過度の恐怖および不安を特徴とする多様な障害である。このPrimeViewでは、Craskeらによる不安障害に関するPrimerの内容を図解し、診断に重点を置いて解説する。
本Primerの図解サマリー
doi:10.1038/nrdp.2017.24
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