Primer
食道がん
Nature Reviews Disease Primers
2017年7月27日
Oesophageal cancer
食道がんは世界のがん関連死の原因の第6位であることから、世界的な健康上の主要問題となっている。食道がんは、食道扁平上皮がん(OSCC)と食道腺がん(OAC)に大別され、それぞれの疫学および生物学が異なっている。OSCCは世界で食道がんの全症例の90%を占めており、東洋、東アフリカおよび南アフリカで罹患率が高い。OACは発展途上国よりも先進国でより多く見られる。OSCCとOACのいずれの場合も前がん病変部は識別可能であり、内視鏡的切除術に適している。しかし、食道がん患者の大多数は、化学療法、化学放射線療法、外科的切除術などのさまざまな治療が必要になる。進行食道がんや転移のある食道がんでは緩和化学療法が行われる。ヒト上皮細胞増殖因子受容体2(HER2)陽性例にはトラスツズマブが有益な場合もある。がん免疫療法もOSCCとOACで有望な初期成績を収めている。このPrimerでは、スクリーニング法、内視鏡的切除術、新しい分子標的をはじめとする、食道がんの生物学と治療法に関する最新の知見を概説するとともに、化学療法、化学放射線療法、外科的切除術の成功例や患者のQOLの維持について考察する。
PrimeView
食道がんは生物学的に、食道扁平上皮がん(OSCC)と食道腺がん(OAC)の2つの型に分けられる。このPrimeViewでは、食道がんの病態生理に着目するとともに、OSCCとOACのリスク因子をはじめ、発症と進行の相違点について取りまとめる。
本Primerの図解サマリー
doi:10.1038/nrdp.2017.48
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