Primer
関節リウマチ
Nature Reviews Disease Primers
2018年2月8日
Rheumatoid arthritis
関節リウマチ(RA)は慢性炎症性自己免疫疾患の1つで主に関節が障害される。発症には、修飾型自己エピトープなどのさまざまな分子に対する自己抗体が関与している。新しい自己抗体が同定されたことにより診断の正確性が改善された上に、分類基準も新たに改訂されたため、疾患の早期段階で認知できるようになり、その研究も促進された。臨床評価法も改訂されたことによって、疾患活動期の特徴と関節損傷や身体障害の進行度との相関がより明確になり、経過観察が容易になった。さらに、RAの発症機構に深く関係する細胞やサイトカインが解明されるにつれ、疾患修飾性抗リウマチ薬の標的も明らかになってきた。発症過程の理解が深まったことに加え、既知薬の合理的使用、新薬の開発、評価法の信頼性向上などが組み合わさり、この20年間でのRA患者の生活は劇的に改善された。最新の治療戦略では、専門医への早期紹介、早期診断および効果的治療の早期開始を重要視しており、寛解または低疾患活動性を治療目標としている。目標に到達しない場合は速やかに治療の見直しが行われる。このような目標達成に向けた治療により、関節損傷の進行が抑制されて、身体機能に加えて職場や社会活動への参加も最適化される。このPrimerでは、RAの疫学、病態生理、診断および管理について解説する。
PrimeView
関節リウマチは自己免疫による慢性炎症性関節疾患である。このPrimeViewでは、関節リウマチの主徴候である軟骨損傷と骨びらんの病態生理学について取りまとめる。
本Primerの図解サマリー
doi:10.1038/nrdp.2018.1
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