Volume 440 Number 7080

Editorials

カシミール地方の地震対策のためには、パキスタン、インド両国が政治的対立とは別に、科学分野での連携を強める必要がある。

Everybody's fault p.1

doi: 10.1038/440001a

客観的で納得のできる科学研究の評価の仕組みが求められているが、現在の仕組みはうまく機能していない。

Evaluate this p.1

doi: 10.1038/440001b

誕生から20年を迎える原子間力顕微鏡は、ナノレベルの研究を大きく進歩させた。

Gradual force p.2

doi: 10.1038/440002a

News

鳥インフルエンザの拡大で、世界的な疾病監視システムの改革の必要性が浮き彫りに。

Disease surveillance needs a revolution p.6

doi: 10.1038/440006a

時間旅行や多元宇宙などの「科学を超えた」問題の解明に向け、物理学者による取り組みが。

Physicists told to confront those big questions p.7

doi: 10.1038/440007a

MITに対抗するEUの「欧州工科大学」構想に、科学者たちは冷めた反応。

Scepticism greets EU plan for virtual institute p.8

doi: 10.1038/440008b

ハーバード大学の次期学長の人選に向けて、さまざまな要望が。

Bets are placed for next Harvard president p.8

doi: 10.1038/440008a

各国の科学者や生物倫理学者らが集まって、幹細胞研究の国際協力のための指針を作成。

Rules tighten for stem-cell studies p.9

doi: 10.1038/440009a

カナダの医学雑誌の発行元と編集委員会が、編集長解任をめぐって対立。

Sackings put editorial freedom on the spot p.10

doi: 10.1038/440010b

英国で、動物実験擁護派による初めてのデモ。

Demo backs animal lab in Oxford p.10

doi: 10.1038/440010a

米ブッシュ政権の代替エネルギー開発方針に批判。

Alternative energy plan criticized p.12

doi: 10.1038/440012a

News Features

分子顕微鏡:生き物に焦点

Focus on the living p.14

原子間力顕微鏡は材料研究に威力を発揮してきたが、水の多い生体系の観察はそれ以上にむずかしい。

doi: 10.1038/440014a

地震学:基盤に揺らぎ

Shaking the foundations p.16

昨秋の地震で大きな被害を受けたパキスタンで、対策の不備を何とかしようと一部の官僚、学者たちの努力が続けられている。

doi: 10.1038/440016a

生化学:スバールバルのアイスマン

The iceman of svalbard p.20

生命は氷の中で始まったと信じて、北極圏で研究を続ける科学者がいる。

doi: 10.1038/440020a

News & Views

地球科学:巨大地震を調べる

Megathrust investigations p.31

2004年12月26日の出来事、つまりインド洋の海底下で起こった地震によって壊滅的な津波が引き起こされたということはよくわかっている。しかし、地震の間に始まった過程については地質学的研究が行われているところだ。Article p.46

doi: 10.1038/440031a

年老いた核は形が崩れる

Ageing nucleus gets out of shape p.32

一部の早老症候群では、細胞核の構造に異常がみられる。動物モデルで、自然な老化の際にも同じような奇形がみられることがわかり、ゲノムの不安定化が老化の基盤であるという考え方が確かめられた。

doi: 10.1038/440032a

細胞生物学:年老いた核は形が崩れる

p.32

一部の早老症候群では、細胞核の構造に異常がみられる。動物モデルで、自然な老化の際にも同じような奇形がみられることがわかり、ゲノムの不安定化が老化の基盤であるという考え方が確かめられた。

doi: 10.1038/44032a

ナノテクノロジー:きれい好きもほどほどに

How clean is too clean? p.34

シリコンナノワイヤーは未来の電子デバイスの基本的な構成要素となると目されている。しかし、超清浄な条件下ではその成長を制御するのがむずかしい。問題は厳しく管理された環境なのだろうか。Letter p.69

doi: 10.1038/440034a

生態学:中立説の予測を否定したサンゴ

Corals fail a test of neutrality p.35

生物多様性研究における中心的問題、つまりさまざまな環境における種の分布状態の予測は、生態学でいまだに議論が続いている問題である。ゆくゆくは、複数の理論が統合されることが望まれる。Letter p.80

doi: 10.1038/440035a

デバイス物理学:注目される電気ソリトン

Electrical solitons come of age p.36

光学ソリトンとして知られる、光エネルギーの塊は長らく通信技術におけるアイドル的存在だった。しかし、光学ソリトンの姉妹とも言える電気ソリトンがついに注目を集めるようになり、どうやら今度はこちらが新しいアイドルになりそうだ。

doi: 10.1038/440036a

細胞生物学:鎖の切れ目

A break in the chain? p.38

鎖状に連なったタンパク質が、細胞と細胞を接着させる働きをもった膜貫通型分子を細胞内部の足場につなぎ止める仕組みは、普通の教科書に載るくらいよく知られた話である。しかし、最近の研究は、この広く認められたモデルに疑問を投げかけており、この分野での新たな進展につながるかもしれない。

doi: 10.1038/440038b

行動生態学:コオロギ軍団をせきたてる

Push on the marching crickets p.38

北米西部に生息するモルモンコオロギは、大集団を作って移動する。新たな研究から、昆虫のこのような大規模集団の移動を推し進める要因が解明された。

doi: 10.1038/440038a

構造生物学:特別製の同位体ラベル

Designer labels p.40

タンパク質の同位体ラベリングに関する革新的な方法が開発された。この方法の精度が上がれば、大型のタンパク質の構造、特にそれらが溶液中にある場合の構造決定に手が届きそうだ。Article p.52

doi: 10.1038/440040a

Articles

地球:スマトラ-アンダマン巨大地震と関連したプレート境界変形

Plate-boundary deformation associated with the great Sumatra-Andaman earthquake p.46

doi: 10.1038/nature04522

生化学:NMRによるタンパク質構造決定へ向けた同位体標識法の最適化

Optimal isotope labelling for NMR protein structure determinations p.52

doi: 10.1038/nature04525

Letters

宇宙:磁場によってしぼり込まれた進化した星からのジェット

A magnetically collimated jet from an evolved star p.58

doi: 10.1038/nature04466

宇宙:タイタンの大気中メタンの起源と考えられる間欠的なガス放出

Episodic outgassing as the origin of atmospheric methane on Titan p.61

doi: 10.1038/nature04497

物理:重いフェルミオン超伝導体CeRhIn5の隠れた磁性と量子臨界性

Hidden magnetism and quantum criticality in the heavy fermion superconductor CeRhIn5 p.65

doi: 10.1038/nature04571

物理:シリコンナノワイヤーの成長に金の表面マイグレーションが及ぼす影響

The influence of the surface migration of gold on the growth of silicon nanowires p.69

doi: 10.1038/nature04574

地球:イエローストーンカルデラでの隆起、熱的活動およびマグマの貫入

Uplift, thermal unrest and magma intrusion at Yellowstone caldera p.72

doi: 10.1038/nature04507

考古:ペルー南部における古代のトウモロコシ栽培と地域間交流

Early maize agriculture and interzonal interaction in southern Peru p.76

doi: 10.1038/nature04294

生態:サンゴ礁の多様性から生物多様性の中立説を論破する

Coral reef diversity refutes the neutral theory of biodiversity p.80

doi: 10.1038/nature04534

疫学:英国の口蹄疫発生に対する個別対応式ワクチン接種の最適戦略

Optimal reactive vaccination strategies for a foot-and-mouth outbreak in the UK p.83

doi: 10.1038/nature04324

進化:人工の遺伝子ネットワークにおいて有性生殖はロバストネスと負のエピスタシスを強化するような選択を行う

Sexual reproduction selects for robustness and negative epistasis in artificial gene networks p.87

doi: 10.1038/nature04488

視覚:対象への視覚短期記憶を支える分離可能な神経機構

Dissociable neural mechanisms supporting visual short-term memory for objects p.91

doi: 10.1038/nature04262

生理:赤血球での鉄同化にはマイトフェリンが不可欠である

Mitoferrin is essential for erythroid iron assimilation p.96

doi: 10.1038/nature04512

細胞:グアニル酸結合タンパク質が構造により誘発されるGTPからGMPへの連続的分解を行う仕組み

How guanylate-binding proteins achieve assembly-stimulated processive cleavage of GTP to GMP p.101

doi: 10.1038/nature04510

医学:AIDにより誘導されるc-myc-Igh転座における遺伝子不安定性とp53の役割

Role of genomic instability and p53 in AID-induced c-myc-Igh translocations p.105

doi: 10.1038/nature04495

生理:走磁性細菌では酸性タンパク質がマグネトソームをフィラメント構造に沿って並べている

An acidic protein aligns magnetosomes along a filamentous structure in magnetotactic bacteria p.110

doi: 10.1038/nature04382

生化学:センサリーロドプシン中でのシグナルの発生とそのトランスデューサーへの伝達

Development of the signal in sensory rhodopsin and its transfer to the cognate transducer p.115

doi: 10.1038/nature04520

Review Article

進化:イントロンと核・細胞質区画化の起源

Introns and the origin of nucleus-cytosol compartmentalization p.41

doi: 10.1038/nature04531

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