Nature ハイライト Cover Story:超火山の響き:イエローストーン公園でみられ た隆起と沈降 2006年3月2日 Nature 440, 7080 イエローストーン国立公園には、地球上で最大規模の火山があるが、これは64万年前に1000立方キロメートルもの物質を噴出した極めて大規模な火山である。こうした超火山は地形、気候、生物圏に多大な影響を及ぼしてきたため、研究者はさまざまな手法で超火山の解明を試みてきた。今回、米国地質調査所の研究グループは、ヨーロッパ宇宙機関のERS-2人工衛星によるレーダー干渉計のデータを用いて、イエローストーンのカルデラ北縁下部を中心とした30 km×40 kmの広い地域での隆起という、変わった特徴を発見した。さらに変わっているのは、隆起の際にカルデラ底が沈降したことである。このような変形はこれまで観察されたことはなく、大規模活カルデラの活動の仕組みの解明に大きな影響を及ぼす。表紙写真は、世界で最も高く熱水を噴き出す活動中の間歇泉であるスチームボート・ガイザーで、2003年10月23日にイエローストーン公園所属の地質学研究者であるH Heaslerが撮影したもの。(Letter p.72) 2006年3月2日号の Nature ハイライト 考古:ペルーにおけるトウモロコシ栽培の始まり 宇宙:タイタンのメタンはどこから来る 医学:鳥インフルエンザの対策は十分? 地球:スマトラ-アンダマン地震を解剖する 疫学:口蹄疫の芽をつみ取る 生態:中立説に合わなかったサンゴの分布 目次へ戻る