Nature ハイライト

Cover Story:行動の時:重大な局面を迎えた全球の炭素排出

Nature 573, 7774

気候変動は、まず間違いなく現代の科学と社会の課題である。思い切った対策が講じられなければ、地球の気温は今世紀末までに3°C以上上昇する可能性が高く、それに伴ってこれまでにない異常気象、海水準上昇、大量絶滅、そして人類にとっての悲惨な状況がもたらされると考えられる。気候変動に関する科学的知見とその脅威は明確だというのに、世界の国々とその指導者たちの反応の遅さが明らかになってきている。今週号のNatureでは、世界の250以上の報道機関と連携して「Covering Climate Now」プロジェクトの特集を組んでいる。この組織的イニシアティブの目的は、9月23日に米国ニューヨークで開かれる国連の「気候行動サミット」に向けて、気候変動に関する報道への注目度を高めることである。学校ストライキを呼び掛け、気候変動対策を求める若者たちの運動が高まるにつれ、議論の活気と激しさが増している。人類の知恵が、この難題に立ち向かおうとしているが、社会、産業、政府が実行する決意を固め、いま行動しなければ、こうした懸念は現実のものになるだろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度