Nature ハイライト
免疫学:SLC19A1は環状ジヌクレオチドの輸送体である
Nature 573, 7774
環状ジヌクレオチドは細胞内タンパク質STINGに結合して活性化し、その結果、I型インターフェロンや炎症性サイトカインが産生される。このSTING経路は、侵入微生物やがん細胞の除去に重要な役割を果たしているだけでなく、無菌性の炎症や自己免疫にも重要な役割を担っている。今回D Rauletたちは、還元型葉酸の輸送体であるSLC19A1が環状ジヌクレオチドの主要な輸送体であることを明らかにし、cGAMP(DNAセンサーであるcGASが産生したり、がん細胞が分泌したりする)や細菌由来のCDN、合成CDNなどの細胞外CDNが細胞質ゾルへと入り込む仕組みの説明を提案している。この研究は、基礎科学とバイオテクノロジーの両方に意味を持つものだ。
2019年9月19日号の Nature ハイライト
神経科学:ニューロンの成熟は一方通行ではない
天体物理学:活動銀河核からの9時間の準周期的なX線の爆発的放射
コンピューティング:スピンによる確率論的コンピューティング
化学:電気を使ってエーテル合成を簡単に
気候変動緩和策:エアロゾル排出量削減に起因する気候ペナルティはない
古生物学:最初の蠕虫様動物の最期の歩み
免疫療法:CAR-T細胞で心筋繊維化を標的化する
免疫学:SLC19A1は環状ジヌクレオチドの輸送体である
腫瘍生物学:E-カドヘリンは転移形成に必要である
エピジェネティクス:ヌクレオソームに結合したMLLヒストンメチルトランスフェラーゼの構造