Nature ハイライト

コンピューティング:スピンによる確率論的コンピューティング

Nature 573, 7774

従来型のコンピューターは、情報を0と1の2進コードで表すビット列を使って決定論的に動作する。しかし、最適化やサンプリングなど、そのような計算法を使って処理するのが難しい多くのクラスの問題があり、これに代わるコンピューティング方式への関心が高まっている。確率論的コンピューティングはそのような例の1つであり、確率ビット(pビット)を利用することを目指している。pビットは、0と1の間で時間とともにゆらぎ、ニューラルネットワークに着想を得た原理を使って、他のpビットと相互作用する。今回、深見俊輔(東北大学)たちは確率的磁気トンネル接合を使った確率論的コンピューティングを実証し、最適化問題の代表例である整数の因数分解を示している。このスケーラブルなスピントロニクスプラットフォームは、最適化やサンプリングなどの難しい問題を解くのに有望なハードウエアを実現する新たな道になる可能性がある。

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