Nature ハイライト
腫瘍生物学:マラセジア属の菌類は膵臓がんを促進する
Nature 574, 7777
G MillerとB Aykut たちは今回、膵臓微小環境中の菌類相であるマイコバイオームが、腸あるいは正常な膵臓のものと比較して、発がん過程で量的および質的な変化を受けることを示している。彼らは、マラセジア属(Malassezia)という特定の菌類だけで膵臓がんの発生の促進に十分であることを明らかにしている。マラセジア属菌類が腫瘍を促進する能力は、マンノース結合レクチン(MBL)がマラセジア属菌類に結合して補体カスケードの活性化が起こることが原因であり、この活性化は補体C3が腫瘍細胞上のC3受容体に結合するために引き起こされる。
2019年10月10日号の Nature ハイライト
地震学:余震と前震を区別する
免疫学:肝細胞によるCD8+ T細胞のプライミング
構造生物学:ヒトの可溶性グアニル酸シクラーゼの構造と機能についての知見
材料化学:高エントロピー合金中に立つ波
マイクロ流体力学:自己融合マイクロ流体流によるパルス状試薬送達
生物地球化学:白亜紀/古第三紀境界の後の回復期間
考古学:先史時代の育児
腫瘍生物学:マラセジア属の菌類は膵臓がんを促進する
がん治療:肝臓がんの効果的な治療法の開発
分子生物学:白血病で見られるスプライシングとDNAメチル化の協調的変化