Nature ハイライト
分子生物学:白血病で見られるスプライシングとDNAメチル化の協調的変化
Nature 574, 7777
O Abdel-Wahabたちは今回、急性骨髄性白血病試料の大規模データセットを解析し、これらの試料では、RNAスプライシング因子のSRSF2と、多様な作用を持つが、とりわけクロマチン調節による遺伝子発現調節が主な機能であるIDH2という2つの遺伝子の両方に変異が生じている頻度が高いことを明らかにしている。この2つの変異が存在すると、スプライシングへの影響がより重大なものになった。こうした影響には、インテグレーター複合体の構成因子であるINTS3のスプライシング変化が含まれ、これはINTS3の発現低下を引き起こし、白血病発生の促進につながる。INTS3の脱調節は、スプライシング異常だけでなく、INTS3のDNAメチル化上昇にも依存する。これらの知見は、がんでのRNAスプライシングとエピジェネティック調節の間のつながりを明確に示している。
2019年10月10日号の Nature ハイライト
地震学:余震と前震を区別する
免疫学:肝細胞によるCD8+ T細胞のプライミング
構造生物学:ヒトの可溶性グアニル酸シクラーゼの構造と機能についての知見
材料化学:高エントロピー合金中に立つ波
マイクロ流体力学:自己融合マイクロ流体流によるパルス状試薬送達
生物地球化学:白亜紀/古第三紀境界の後の回復期間
考古学:先史時代の育児
腫瘍生物学:マラセジア属の菌類は膵臓がんを促進する
がん治療:肝臓がんの効果的な治療法の開発
分子生物学:白血病で見られるスプライシングとDNAメチル化の協調的変化