Nature ハイライト

免疫学:肝細胞によるCD8+ T細胞のプライミング

Nature 574, 7777

M Iannacone、A Bénéchet、G De Simoneたちは今回、B型肝炎ウイルス(HBV)に慢性感染した状態で典型的に見られるような寛容化・鈍化した免疫応答と、炎症性抗ウイルス免疫応答とを区別する、時空間的および分子的特徴付けに取り組んだ。その結果、クッパー細胞によってプライミングされたCD8+ T細胞は、二次リンパ器官でプライミングされた細胞と区別できないエフェクター細胞へ分化することが明らかになった。対照的に、肝細胞によるプライミングは、CD8+ T細胞の機能不全を生じ、この細胞はサイトカインを産生する細胞傷害性のエフェクター細胞への分化ができない。しかしIL-2で処理すると、これらの異常は部分的に回復する。この研究は、活性化の条件がCD8+ T細胞機能をどのように決定するかについて新しい知見をもたらしている。これはT細胞研究にとって重要であり、その意義は今回用いられたモデルだけにとどまらない。

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