Nature ハイライト
マイクロ流体力学:自己融合マイクロ流体流によるパルス状試薬送達
Nature 574, 7777
マイクロ流体デバイスは、使いやすく持ち運び可能な臨床現場即時診断を実現できる。そうしたデバイスでは、乾燥試薬をマイクロチャネル内に配置して長期保存し、その後流体を加えて元に戻す。しかし、試薬が分散するため、実施できる反応やアッセイはそれほど複雑でないものに限られる。今回E Delamarcheたちは、適切に設計されたマイクロ流体チャネルに閉じ込められた液体が勢いよく自らに向け押し込められる自己融合(self-coalescence)という毛管流効果によって、分散を最小限にして試薬を元に戻せることを報告している。この効果は、容易に作製できて他のマイクロ流体技術と併用できる、スケーラブルな小型受動マイクロ流体構造において制御される。この自己融合モジュールという構造は、複数の試薬が関与する複雑な処理や操作を可能にし、生物学的アッセイから診断、高スループットスクリーニングに及ぶさまざまな応用に影響を及ぼすと予想される。
2019年10月10日号の Nature ハイライト
地震学:余震と前震を区別する
免疫学:肝細胞によるCD8+ T細胞のプライミング
構造生物学:ヒトの可溶性グアニル酸シクラーゼの構造と機能についての知見
材料化学:高エントロピー合金中に立つ波
マイクロ流体力学:自己融合マイクロ流体流によるパルス状試薬送達
生物地球化学:白亜紀/古第三紀境界の後の回復期間
考古学:先史時代の育児
腫瘍生物学:マラセジア属の菌類は膵臓がんを促進する
がん治療:肝臓がんの効果的な治療法の開発
分子生物学:白血病で見られるスプライシングとDNAメチル化の協調的変化