Nature ハイライト
化学合成:イチョウの代謝物の合成
Nature 575, 7784
ビロバライドはイチョウ(Ginkgo biloba)の木の代謝物である。イチョウの葉は薬効があるとされ、漢方薬に広く用いられている。ビロバライドとGABAA受容体の相互作用がダウン症マウスモデルにおける認知機能の回復と関連付けられているが、その効果はあまりよく分かっていない。今回R Shenviたちは、ビロバライドの特性のさらなる研究を可能にするため、(−)-ビロバライドの短縮合成について報告している。今回の合成では、ビロバライド分子の三次元構造を用いて、擬対称性中間体の非対称化を可能にしている。この合成経路は短いため、グリシン受容体拮抗薬を含む類縁化合物の合成に応用できるはずである。
2019年11月28日号の Nature ハイライト
ナノテクノロジー:量子ドットLEDの解毒
電気化学:二酸化炭素をメタノールに変換する安定かつ高活性の分子電解触媒
化学合成:イチョウの代謝物の合成
気候科学:海洋の温暖化による熱帯の気象変動の主要なパターンの変化
遺伝学:Y染色体喪失のモザイク
進化学:走化性による細菌の導かれた分布拡大
進化学:分布拡大の進化的最適化
微生物学:細菌の(p)ppApp合成を介した中毒
免疫学:細胞死経路間のクロストーク
がん:新たなフェロトーシス抑制因子
がん遺伝学:がんにおける染色体外DNA