Nature ハイライト
がん:新たなフェロトーシス抑制因子
Nature 575, 7784
フェロトーシスは鉄依存的な細胞死の一形態であり、脂質に対する酸化的損傷によって誘導される。フェロトーシスの抑制には、GPX4(グルタチオンペルオキシダーゼ4)が関与する経路が1つだけ知られており、GPX4は脂質の酸化やラジカル捕捉抗酸化物質を元の状態に戻す酵素である。M ConradたちとJ Olzmannたちの2つのグループが今回、新たな独立した平行経路について報告している。彼らは、FSP1(ferroptosis-suppressor-protein 1)が、GPX4がなくても、フェロトーシスを防ぐことを明らかにしている。FSP1は、酸化脂質を捕捉するユビキトールを生成する。GPX4とFSP1の両方を阻害すると、がん細胞でフェロトーシスが引き起こされる。さらにFSP1は、in vivoやマウスモデルの異種移植片において、フェロトーシスに対する抵抗性を仲介した。
2019年11月28日号の Nature ハイライト
ナノテクノロジー:量子ドットLEDの解毒
電気化学:二酸化炭素をメタノールに変換する安定かつ高活性の分子電解触媒
化学合成:イチョウの代謝物の合成
気候科学:海洋の温暖化による熱帯の気象変動の主要なパターンの変化
遺伝学:Y染色体喪失のモザイク
進化学:走化性による細菌の導かれた分布拡大
進化学:分布拡大の進化的最適化
微生物学:細菌の(p)ppApp合成を介した中毒
免疫学:細胞死経路間のクロストーク
がん:新たなフェロトーシス抑制因子
がん遺伝学:がんにおける染色体外DNA