Nature ハイライト
微生物学:細菌の(p)ppApp合成を介した中毒
Nature 575, 7784
多くの細菌はVI型分泌装置(T6SS)を用いて、抗菌エフェクターを競合細胞に送達する。J Whitneyたちは今回、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)PA14株の新しいT6SSエフェクターを報告している。このエフェクターTas1は、(p)ppAppを合成して標的細胞に急激な細胞死を引き起こす。著者たちは、遺伝学的、構造的、生化学的、メタボローム的な手法を組み合わせることで、Tas1がRSH(RelA-SpoT homologue)酵素に類似していることを示している。Tas1が細胞に侵入すると、ATPとADPを著しい速度で枯渇させ、そのために複数の必須代謝経路が阻害されて、細胞死が引き起こされる。細菌間の拮抗作用の新しい機構が明らかになり、細菌における(p)ppAppの生理的役割が初めて実証された。
2019年11月28日号の Nature ハイライト
ナノテクノロジー:量子ドットLEDの解毒
電気化学:二酸化炭素をメタノールに変換する安定かつ高活性の分子電解触媒
化学合成:イチョウの代謝物の合成
気候科学:海洋の温暖化による熱帯の気象変動の主要なパターンの変化
遺伝学:Y染色体喪失のモザイク
進化学:走化性による細菌の導かれた分布拡大
進化学:分布拡大の進化的最適化
微生物学:細菌の(p)ppApp合成を介した中毒
免疫学:細胞死経路間のクロストーク
がん:新たなフェロトーシス抑制因子
がん遺伝学:がんにおける染色体外DNA