Nature ハイライト
Cover Story:磁場の導き:星間物質の磁気構造から明らかになった星形成が始まる時期
Nature 601, 7891
表紙は、星間磁場の構造をおうし座分子雲に重ね合わせた画像である。星形成時には、星間磁場が散逸して分子雲が自身の重力で崩壊し、最終的に恒星が形成される。しかし、星間磁場の強度の測定は非常に難しい。今回T Chungたちは、おうし座分子雲の磁場の観測結果について報告している。著者たちは、分子エンベロープや密度の高いコアだけでなく、低温中性ガスと呼ばれる領域も通して磁場の構造が整然としていることを見いだすことができた。この結果は、分子雲が、これまでの想定よりも早い時期に崩壊寸前の状態にあることを示唆している。
2022年1月6日号の Nature ハイライト
物性物理学:鉄系超伝導
天文学:これまでになく金属量の少ない恒星ストリーム
素粒子物理学:反物質と相対論の関係を探る
物性物理学:回転する量子気体を用いた量子ホール物理のシミュレーション
エネルギー科学:太陽光と空気から燃料を作る
地球科学:660 km不連続面の相転移による沈降
生態学:水銀の放出をやめれば魚はすぐにきれいになる
古生物学:地球の軌道変動の植物プランクトンの進化への影響
ゲノミクス:slide-DNA-seq法を用いたクローン不均一性の空間分解検出
神経科学:脳内での座標変換
神経回路:局所回路による空間選択性の増幅
コロナウイルス:コロナウイルスの不稔感染が起こる仕組み
発生生物学:白斑のパターンを決定する真皮繊維芽細胞
腫瘍生物学:悪性クローンの適応度の非遺伝的決定因子
細胞生物学:修飾が道案内
神経変性:ALSのTDP-43繊維の構造
生化学:RNAを切断するDNA酵素の構造の時間分解解析