Nature ハイライト

ゲノミクス:slide-DNA-seq法を用いたクローン不均一性の空間分解検出

Nature 601, 7891

腫瘍など、組織内の遺伝的な不均一性は、バルク組織の高深度塩基配列解読、あるいはレーザーマイクロダイセクション法による腫瘍組織の単離後に複数クローンの塩基配列解読を行うことによって検出可能である。しかし、前者では空間情報が失われてしまい、後者では観察可能な比較的大きいクローン構造が必要になる。J Buenrostroたちは今回、組織構造を無傷に保ったまま、空間分解されたDNAの塩基配列解読を可能にする方法であるslide-DNA-seq(以前開発したslide-RNA-seq法を基盤とする)を開発した。この方法を用いると、染色体異常に基づいて、組織内のクローンを直接特定できる。著者たちはさらに、slide-DNA-seq法を大腸がんに適用し、他のデータセットと統合することで、染色体異常によって引き起こされる転写プログラムと、腫瘍細胞密度によって引き起こされる転写プログラムを分解できることを示している。

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