Nature ハイライト
ゲノミクス:slide-DNA-seq法を用いたクローン不均一性の空間分解検出
Nature 601, 7891
腫瘍など、組織内の遺伝的な不均一性は、バルク組織の高深度塩基配列解読、あるいはレーザーマイクロダイセクション法による腫瘍組織の単離後に複数クローンの塩基配列解読を行うことによって検出可能である。しかし、前者では空間情報が失われてしまい、後者では観察可能な比較的大きいクローン構造が必要になる。J Buenrostroたちは今回、組織構造を無傷に保ったまま、空間分解されたDNAの塩基配列解読を可能にする方法であるslide-DNA-seq(以前開発したslide-RNA-seq法を基盤とする)を開発した。この方法を用いると、染色体異常に基づいて、組織内のクローンを直接特定できる。著者たちはさらに、slide-DNA-seq法を大腸がんに適用し、他のデータセットと統合することで、染色体異常によって引き起こされる転写プログラムと、腫瘍細胞密度によって引き起こされる転写プログラムを分解できることを示している。
2022年1月6日号の Nature ハイライト
物性物理学:鉄系超伝導
天文学:これまでになく金属量の少ない恒星ストリーム
素粒子物理学:反物質と相対論の関係を探る
物性物理学:回転する量子気体を用いた量子ホール物理のシミュレーション
エネルギー科学:太陽光と空気から燃料を作る
地球科学:660 km不連続面の相転移による沈降
生態学:水銀の放出をやめれば魚はすぐにきれいになる
古生物学:地球の軌道変動の植物プランクトンの進化への影響
ゲノミクス:slide-DNA-seq法を用いたクローン不均一性の空間分解検出
神経科学:脳内での座標変換
神経回路:局所回路による空間選択性の増幅
コロナウイルス:コロナウイルスの不稔感染が起こる仕組み
発生生物学:白斑のパターンを決定する真皮繊維芽細胞
腫瘍生物学:悪性クローンの適応度の非遺伝的決定因子
細胞生物学:修飾が道案内
神経変性:ALSのTDP-43繊維の構造
生化学:RNAを切断するDNA酵素の構造の時間分解解析