Nature ハイライト
物性物理学:鉄系超伝導
Nature 601, 7891
数種の物質群において観測されている非従来型超伝導の背後にある機構は、10年以上にわたる取り組みにもかかわらず、依然として議論の的になっている。鉄系非従来型超伝導体は、複数の原子軌道が存在するために他の物質とは異なっており、これによって、同一の支配的な対形成機構を共有するギャップ構造の豊かな様相が生じている。こうした物質からは、超伝導の他にも、フント相互作用によって支配される異常金属状態、電子ネマチック性の制御と機構、磁気ゆらぎと量子臨界性の影響、相関状態におけるトポロジーの重要性に関する新しい知見が得られている。今回R Fernandesたちは、鉄系超伝導体の発見から13年にわたる進歩を概説し、この物質における相関相の理解に関連する未解決問題を考察している。
2022年1月6日号の Nature ハイライト
物性物理学:鉄系超伝導
天文学:これまでになく金属量の少ない恒星ストリーム
素粒子物理学:反物質と相対論の関係を探る
物性物理学:回転する量子気体を用いた量子ホール物理のシミュレーション
エネルギー科学:太陽光と空気から燃料を作る
地球科学:660 km不連続面の相転移による沈降
生態学:水銀の放出をやめれば魚はすぐにきれいになる
古生物学:地球の軌道変動の植物プランクトンの進化への影響
ゲノミクス:slide-DNA-seq法を用いたクローン不均一性の空間分解検出
神経科学:脳内での座標変換
神経回路:局所回路による空間選択性の増幅
コロナウイルス:コロナウイルスの不稔感染が起こる仕組み
発生生物学:白斑のパターンを決定する真皮繊維芽細胞
腫瘍生物学:悪性クローンの適応度の非遺伝的決定因子
細胞生物学:修飾が道案内
神経変性:ALSのTDP-43繊維の構造
生化学:RNAを切断するDNA酵素の構造の時間分解解析