Nature ハイライト

遺伝学:遺伝子に働く選択的制約の有無と無子との関連

Nature 603, 7903

大規模な集団のゲノム塩基配列解読の取り組みから、一部の遺伝子は「選択的制約」を受けており、有害な変異を持ちにくいことが明らかになっている。M Hurlesたちは今回、英国バイオバンクのデータを用いて、これらの遺伝子に働く選択的制約の原因と考えられる選択圧を探った。多くの形質を検討した結果、こうした遺伝子における遺伝的バリアントの全体的な負荷が、子の数、特に男性における無子(childlessness)と関連付けられることが示された。こうした影響は統計的に有意で、これらの遺伝子のバリアントに働く純化選択の約20%を占めるが、無子となる全体的な可能性のごく一部(1%未満)を占めるにすぎず、他の生物学的要因や環境要因がより重要な役割を担っていると考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度