燃料の燃焼から生成されるエアロゾルが地球に及ぼす冷却効果は、従来考えられていたよりはるかに大きいようだ。 化石燃料の燃焼からは温室効果ガスである二酸化炭素が生じ、これは地球温暖化の主な原因となる。しかし、燃焼からはもやの粒子も放出され、地球に入射する太陽光はこの粒子によって散乱・吸収され、その結果地球は冷却される。これら2つの効果が差し引きでどう効いてくるかについてはよくわかっていない。 N Bellouinたちは、NASAの地球観測衛星テラとアクアを用いて、この冷却効果について現在までのところ最も厳密な測定を行い、冷却効果は気候変動に関する政府間パネルが示した推定値の上限に来ることを見いだした。 しかし、エアロゾルが健康へ及ぼす影響への懸念から、その放出量を減らし、空気の質を改善しようとする取り組みに拍車がかかっている。News and ViewsではJ Coakleyがこの研究について論じている。