Nature ハイライト 宇宙:火星の平原はそれほど湿潤ではなかった? 2005年12月22日 Nature 438, 7071 火星探査車オポチュニティが発見した鉱物と岩石のパターンはこれまで、火星に長期にわたって塩水の水たまりがあった証拠と考えられてきた。しかし今週号に掲載された2編の論文では、この解釈に疑問が投げかけられ、別の説明が提出されている。 T McCollomとB Hynekは、メリディアニ平原と呼ばれる地域でオポチュニティが確認した堆積物は、実際にはごく少量の酸性の水と火山ガスの二酸化硫黄の作用により火山灰が変質して形成された可能性があると論じている。 一方でP Knauthたちは、乱流状態の岩石破砕片サージの地表での広がりや、隕石の衝突でもたらされた鉱物と塩化物水溶液が、オポチュニティの観察した堆積物中に見られる層状の模様を作り出したのではないかと考えている。 2005年12月22日号の Nature ハイライト 気候変化:エアロゾルの予想を上回る冷却効果 遺伝:菌類トリオのゲノム解読 物理:アインシュタインのE = mc2 を検証する 宇宙:火星の平原はそれほど湿潤ではなかった? 進化:四肢動物の歩行の起源は「前輪駆動」? : 目次へ戻る