Nature ハイライト Cover Story:その20 年後…:チェルノブイリ事故と原子力 発電の将来 2006年4月20日 Nature 440, 7087 ソビエト連邦がウクライナのチェルノブイリ原子力発電所でその2日前に事故があったことを知ったのは、1986年4月28日のことだった。表紙は、この年の夏、崩壊した4号原子炉上方の放射能をヘリコプターから測定している乗員たちの写真である。今週号では、「平時の出来事としては史上最悪の原子力関連事故」となったチェルノブイリ原発事故に関する特集を掲載する。Newsでは失われた人命と生態系の受けた被害を図表化して示し [p.982]、News Featuresでは、この20年間を概観するとともに、今こそ21世紀の核エネルギーについての展望を評価するべき時であることを述べる [pp.984,987]。Commentaryでは、国連機関が発表予定のチェルノブイリ報告書を見越して、D WilliamsとK Baverstockが、ベラルーシ、ウクライナおよびロシアの最も深刻な影響を受けた地域の住民の健康について、包括的な監視を続けることの重要性を強調している [p.993]。こうしたことをやらなければ、原子力産業が「チェルノブイリの遺産」として今なお残る世間一般の疑念を払拭することは不可能だろう。 2006年4月20日号の Nature ハイライト 雪氷:明らかになった南極域の配管システム 医学:薬剤への応答を代謝の表現型から予測 気候:気候感度はそれほど鋭敏ではないらしい 進化:協力行動はどうやって社会に出現・定着したか 宇宙:あの光の起源を探る 目次へ戻る