Nature ハイライト

Cover Story:トリトンの捕獲:海王星が通りがかりの連星 系から衛星を得た仕組み

Nature 441, 7090

海王星の衛星であるトリトンは、太陽系の大きな衛星のうちでは唯一、惑星の自転と逆方向に海王星の周囲を軌道運動している。トリトンの円軌道はまた、海王星の赤道からかなり傾いている。これらのことから、トリトンは海王星に捕獲される前に、太陽の周りを軌道運動していたことが考えられるが、トリトンの捕獲に関する従来のモデルでは起こりそうもない事象を想定しなくてはならない。今回、C AgnorとD Hamiltonはもっと無理のない説明を案出した。このモデルでは、トリトンはかつて、冥王星とその最大の衛星であるカロンのペアに似た連星系に属していたと考えられている。この連星系は海王星に接近し過ぎたために軌道から逸れてばらばらになってしまい、連星の一方は逃げ去ったが、トリトンはそのままとり残されたというものだ [Letter p. 192 News and Views p. 162]。表紙はその接近遭遇のようすを描いたものである。海王星の周囲を軌道運動している原始衛星の連星系は、トリトンの捕獲後、長くはもちこたえられなかったと思われる。(グラフィック提供: S Alber, J Gardner, J Hastings-Trew, C ThomasおよびNOAA「Science on a Sphere」プロジェクトによる惑星・衛星マップ)

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