Volume 441 Number 7090

Editorials

北極は地球の気候に深くかかわっており、南極にならって国際協力の下で研究を促進すべきだ。

Coming in from the cold p.127

doi: 10.1038/441127a

英政府は、気候変動研究で有名なチンダル・センターのような恒久的研究機関の重要性を認識すべきだ。

Special provision p.127

doi: 10.1038/441127b

干ばつデータの共有システムの構築は、被害が深刻なわりに注目されにくい干ばつの研究と対策に役立つだろう。

Let the data flow p.128

doi: 10.1038/441128a

News

カタールが、オイルマネーを使ってアラブ地域の科学の活性化を計画。

Arab state pours oil profits into science p.132

doi: 10.1038/441132a

有人測候所の相次ぐ閉鎖で北極地域の気候研究に弊害が出ると、気候学者が憂慮。

Arctic stations need human touch p.133

doi: 10.1038/441133a

NASAのグリフィン長官が、予算に対する批判に率直に回答。

Sidelines p.134

doi: 10.1038/441134a

WHOに、新薬開発の促進と特許問題への取り組みを求める声。

Are rich nations up for drug reform? p.135

doi: 10.1038/441135a

SPECIAL REPORT 鳥インフルエンザが南北アメリカ大陸にも拡大したら?

Avian flu and the New World p.137

doi: 10.1038/441137a

News Features

エピジェネティクス:未完成交響曲

Unfinished symphony p.143

ゲノムに書かれたDNA譜を正しく演奏するため、遺伝暗号のほかに必要な、後成的暗号の研究が進んでいる。

doi: 10.1038/441143a

北極の生態学:薄氷の上で

On thin ice p.146

北極には、気候変動の影響が最も早く、最も急激に現れる。

doi: 10.1038/441146a

News & Views

免疫をくぐり抜けるウイルスベクターを作る

Engineering immune evasion p.161

ウイルスベクターを使ったワクチン送達がなかなか実現しないのは、これらのベクターの働きが既存の免疫系に邪魔されるからである。構造をベースとした巧みな設計により、こうした問題を回避する道が示された。

doi: 10.1038/441161a

惑星間での拉致事件

Interplanetary kidnap p.162

海王星の最大の衛星であるトリトンは、どうやら冥王星-カロン系に似た2個の天体からなる連星系に属していたらしい。この連星系が海王星に近づきすぎてばらばらになり、その結果トリトンは海王星を周回するようになったのかもしれない。

doi: 10.1038/441162a

カルシウム流入の秘密を暴く

Cracking the calcium entry code p.163

細胞内のカルシウムイオン濃度の急激な上昇は、重要な生物学的シグナルとなる。今回、カルシウムイオンが細胞へ流れ込む主な経路の重要な成分が突き止められた。

doi: 10.1038/441163a

触媒作用の桂馬跳び

A catalytic knight's move p.165

2種類の触媒を併用すると、不活性な炭化水素の反応性を変えることができる。この反応では、生じる炭素鎖の長さも任意に変えられるので、この方法の開発は新たな展開をもたらすだろう。

doi: 10.1038/441165a

17だけの働きは?

What does it mean to be just 17? p.166

ヘルパーT細胞は2種類しかないとずっと考えられてきた。しかし、これら以外の種類も存在し、一定の状況下で炎症応答に影響を与えている可能性がしだいに明確になってきた。

doi: 10.1038/441166a

相変化が起こるとき

When a phase is born p.168

物質の相変化は、一般に新しい相の小さな核が形成されることによって起こる。散乱実験とコンピューターシミュレーションから、こうした核のうちで最小のものの大きさが明らかになった。

doi: 10.1038/441168a

希ガス再循環の仕組み

The noble art of recycling p.169

地球の地殻下に捕捉されているキセノンは、地球の進化を探る手がかりとなるが、これまでは大気からの汚染分を定量できなかった。最新の解析方法ではこの障害が乗り越えられたことで、解明が進みそうだ。

doi: 10.1038/441169b

ラマであらま! 

Cause for a llama p.169

ラマは相当な高温でも有効に働く抗体を作る。こうした抗体を少しいじってカフェイン特異的にしてやると、飲み物が温かくても冷たくても、その中のカフェイン濃度を測定できる新しい手段となる。

doi: 10.1038/441169a

Articles

ATF3がToll様受容体4の負の調節因子であることのシステム生物学手法による同定

Systems biology approaches identify ATF3 as a negative regulator of Toll-like receptor 4 p.173

doi: 10.1038/nature04768

Orai1の変異はCRACチャネル機能を損なうことにより免疫不全を引き起こす

A mutation in Orai1 causes immune deficiency by abrogating CRAC channel function p.179

doi: 10.1038/nature04702

海水の沈み込みはマントルの重い希ガス組成を支配している

Seawater subduction controls the heavy noble gas composition of the mantle p.186

doi: 10.1038/nature04761

Letters

衛星トリトンは連星系と惑星の重力による接近遭遇の際に海王星に捕獲された

Neptune’s capture of its moon Triton in a binary-planet gravitational encounter p.192

doi: 10.1038/nature04792

強誘電体電界効果を使った2次元超伝導の局所スイッチング

Local switching of two-dimensional superconductivity using the ferroelectric field effect p.195

doi: 10.1038/nature04731

新しい電気光学材料としての歪シリコン

Strained silicon as a new electro-optic material p.199

doi: 10.1038/nature04706

南アフリカの巨大なモロクェン衝突クレーター中での25 cm の微惑星砕屑片の発見

Discovery of a 25-cm asteroid clast in the giant Morokweng impact crater, South Africa p.203

doi: 10.1038/nature04751

新たに得られた放射性炭素測定年代による気候変動と人類移住および更新世末の大量絶滅との関連づけ

New carbon dates link climatic change with human colonization and Pleistocene extinctions p.207

doi: 10.1038/nature04604

海洋島のヤシにみられる同所的種分化

Sympatric speciation in palms on an oceanic island p.210

doi: 10.1038/nature04566

社会的待ち行列における将来の適応度とヘルパー行動の関係

Future fitness and helping in social queues p.214

doi: 10.1038/nature04560

神経堤の指定は原腸形成期に起こりPax7を必要とする

Specification of the neural crest occurs during gastrulation and requires Pax7 p.218

doi: 10.1038/nature04684

眼窩前頭皮質ニューロンは経済的価値を符号化する

Neurons in the orbitofrontal cortex encode economic value p.223

doi: 10.1038/nature04676

トウモロコシの花序の構造はトレハロースの代謝にかかわる酵素が制御している

A trehalose metabolic enzyme controls inflorescence architecture in maize p.227

doi: 10.1038/nature04725

トランスフォーミング増殖因子-βはTH17細胞の分化を誘導する

Transforming growth factor-β induces development of the TH17 lineage p.231

doi: 10.1038/nature04754

病原性エフェクターTH17と調節性T細胞産生のための相反的分化経路

Reciprocal developmental pathways for the generation of pathogenic effector TH17 and regulatory T cells p.235

doi: 10.1038/nature04753

ヘキソンタンパク質のキメラアデノウイルス5型ベクターは既存の抗ベクター免疫を回避する

Hexon-chimaeric adenovirus serotype 5 vectors circumvent pre-existing anti-vector immunity p.239

doi: 10.1038/nature04721

リボソームのプログラムされたフレームシフトにRNAシュードノットが果たす機能の機構的説明

A mechanical explanation of RNA pseudoknot function in programmed ribosomal frameshifting p.244

doi: 10.1038/nature04735

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