地球のマントル中に存在するキセノンなどの重く不活性な希ガスは、大部分が海水によってマントルに運ばれたらしい。マントルは地球の外殻と液体の核との間にある固体の層である。 これまでの理論では、沈み込み帯で海洋プレートが地球内部に沈み込む際、ガスは周りの岩石には取り込まれず、火山活動により地表へ上昇していくと考えられてきた。今回の発見はこの理論を覆すものだ。 G HollandとC Ballentineは米国ニューメキシコ州のブラボ・ドーム天然ガス田でマントルのガスの組成を調べ、キセノンの大部分の同位体組成が大気中のキセノンと同じであることを見いだした。 地表とマントルとの間で化学元素がどのように交換されているかを解明すれば、地球の進化をたどるうえで役に立つと松本拓也はNews and Viewsで述べている。