Nature ハイライト
Cover Story:熱帯の利益:保護地域は脊椎動物の生物多様性に好ましい影響を及ぼす
Nature 620, 7975
国立公園や自然保護区などの保護地域は、生物多様性を維持する戦略の一部になっているが、それらが境界の内側や外側でどの程度有効かは、はっきり分かっているわけではない。今回J Brodieたちは、多様性が極めて高い東南アジアの保護地域を調べ、熱帯の生物多様性に対する影響を評価している。彼らは、現地への接近のしやすさと森林の3D構造を考慮することで、保護区が、表紙のピグミースローロリス(Nycticebus pygmaeus)などの哺乳類や鳥類の多様性を、境界の内側と周囲の地域の両方で向上させたことを見いだした。
2023年8月24日号の Nature ハイライト
惑星科学:系外惑星TRAPPIST-1 cにCO2の厚い大気はない
物性物理学:ツイストグラフェン–グラファイトによる新しいモアレ系
物性物理学:モアレ準結晶における超伝導と強い相互作用
工学:アナログ計算によるエネルギー効率の高い音声認識
化学:振電効果によって促進されるスピン一重項–三重項変換
化学物理学:二次元材料のしわを通るプロトン輸送
環境科学:砂鉱採掘の増加による熱帯河川における堆積物負荷の増大
地球科学:地震アスペリティ破壊の画像化
生態学:自然を経済性だけで評価してはならない
古生物学:史上最重量級の原始的なクジラ
植物科学:ゲノミクスが示すヒトツブコムギの進化史
遺伝学:核遺伝子によるmtDNAコピー数とヘテロプラスミーの制御
社会科学:ヨーロッパでの難民支援感情は度重なる人道危機を経ても揺るがない
医学研究:臨床試験では同意文書の翻訳費用が重要
発生生物学:iPS細胞をES細胞に近づける
ウイルス学:TRIM5αはRNAウイルスだけでなくDNAウイルスも抑制する
免疫学:樹状細胞の免疫代謝経路を標的とした自己免疫治療戦略
分子生物学:TDP-43凝集体の新たに見つかった構造
構造生物学:アレスチンが新規な配置で結合しているグルカゴン受容体の構造