Nature ハイライト
Cover Story:ネアンデルタール人のゲノミクス:100 万塩 基対分のDNA を解読
Nature 444, 7117
ネアンデルタール人を示す形質は、およそ400,000年前にヨーロッパや西アジアの人類化石記録に現れ、およそ30,000年前に消失した。ネアンデルタール人は我々現生人類に最も近い絶滅人類であり、そのため、DNA技術が進歩するにつれて、完全な現生人類に特徴的な遺伝的変化を解剖学的に突き止められるのではないかという期待が高まっている。今回、100万塩基対を超えるDNAを抽出できるほど良質の、38,000年前のネアンデルタール人の骨が見つけ出された。これはもともと、1980年にクロアチアのヴィンディヤ洞窟(表紙写真)で発見されたもので、この骨のDNAをチンパンジーゲノムおよびヒトゲノムと比較したところ、ネアンデルタール人とヒトの祖先の有効集団サイズは、類人猿の場合とは違って、ヒトの場合に似た小さいサイズであることが明らかになった。この研究で使われた技術からすると、ネアンデルタール人の概要ゲノム配列は2年以内に得られそうである。
2006年11月16日号の Nature ハイライト
ナノテクノロジー:安全のための5つの課題
視覚:「目ぶれ」防止機能搭載です
構造生物学:メッセージの受け渡し方
生理:ケーキを食べても大丈夫
宇宙:星に隠されたパワー
材料:ナノリボンはハーフメタル?
材料:分子材料中を自由に流れる電流
地球:地震の最終段階
免疫:世界的大流行の可能性をはかる
生物物理:接近遭遇!