Nature ハイライト

Cover Story:生命の設計図を解読:ENCODE計画が試みたヒトゲノム機能のマッピング

Nature 447, 7146

ENCODE(ENCyclopedia Of DNA Elements:ヒトDNAエレメントの百科事典)計画は、ヒトゲノム中のすべての機能的エレメントを同定することを目指している。ヒトゲノム塩基配列が確定された今、次の課題は、細胞がゲノムを取扱説明書として実際にどのように使用しているのかを明らかにすることだ。ENCODEコンソーシアムは、この計画の「概念の検証」に当たる試験段階、つまり標的であるヒトゲノムの1%の機能的エレメントを解析する段階を完了した。今週号に発表された結果からは、ゲノム中の大部分の塩基が、タンパク質をコードしない転写産物や重複転写産物を含む、一次転写産物になることが示唆される。転写調節の解析から、転写開始部位についての新たな知見やクロマチン構造に関するより複雑で進歩した見解が得られた。これらのデータを統合することにより、特に哺乳類の進化に関して、DNAという設計図にコード化された情報が、細胞で機能する系に変換される仕組みについての新たな手掛かりが得られる [Article p.799, News & Views p.782, www.nature.com/podcast]。

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