Nature ハイライト

視覚:細部を見るために小刻みに動く目

Nature 447, 7146

我々が何かを注視しているときに生じる眼球の無意識な微動、あるいは「網膜のゆれ(retinal jitter)」は注視時眼球運動とよばれ、この動きの機能については、1950年代にこの現象が最初に認められて以来、いまだに議論が続いている。Rucciたちは、心理物理学的な実験と統計解析を組み合わせて、眼球運動の視覚への影響を相殺するような視覚シグナルについて調べ、この眼球運動がないと、きめ細かな情報の知覚が減退することを示した。したがって、注視時眼球運動は、視覚情報の詳細を抽出するために脳がとっている戦略の一部であると考えられる。

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