Nature ハイライト

生化学:抗菌薬の標的

Nature 447, 7146

グルタミン酸ラセマーゼは細菌細胞壁の生合成にかかわる重要な酵素だが、この酵素は新種の抗菌薬の標的となりそうだ。アストラゼネカ研究所チームは、数種の病原性細菌から得たグルタミン酸ラセマーゼの特性を明らかにした。調べたグルタミン酸ラセマーゼはすべて同一の化学反応を触媒するが、その調節機構には3種類が存在することがわかった。菌株に特異的なグルタミン酸ラセマーゼ阻害剤の探索から、隠れたアロステリック部位に結合することでピロリ菌(Helicobacter pylori)の酵素を標的とする一連の化合物が見つかった。この研究は、新たな狭域スペクトル抗菌薬の発見につながるかもしれない。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度