Nature ハイライト

生態:温度による性決定を検証する

Nature 451, 7178

哺乳類と鳥類では、性別は遺伝子型により受精時に決定される。しかし、多くの爬虫類ではリスク分散策がとられ、環境との相互作用、通常は温度との関係で個体の性別が決定される。30年前、E CharnovとJ Bullは、各性の適応度を最大化する温度条件がそれぞれ異なるなら、環境による性決定が選択上有利になると推論した(Nature 266, 828-830; 1977)。この推論は現在までのところ実証されておらず、その一因として、ある温度で「誤った」性の個体を生み出すような対照実験の設定が困難であることが挙げられる。D WarnerとR Shineは、ホルモン処理を用いることでこの難題を克服し、オーストラリアのアガマ科トカゲを使ってチャーノフ・ブル(Charnov/Bull)モデルが正しいことを確認した。

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