Nature ハイライト

ウイルス:インフルエンザウイルスの変化するチャネル

Nature 451, 7178

インフルエンザAウイルスには、ゲートの開閉がpHにより制御されるプロトンチャネルであるM2が含まれる。このチャネルは最近まで、アマンタジン系の抗ウイルス薬が効果的に標的としてきたが、現在ではこれらの薬物に対する耐性が広くみられるようになってきた。今回2つのグループがM2プロトンチャネルの構造に関する研究を報告している。J SchnellとJ ChouはNMR分光法により、リマンタジンの結合したM2の38残基からなる部分の構造を決定した(Letter p.591)。A StoufferたちはX線回析を用いて、M2の25残基からなる断片のアマンタジンが存在する場合としない場合の結晶構造を決定した(Letter p.596)。得られた構造からは、意外にも薬物のチャネル阻害に関して2つの大きく異なった機構が示唆された。C Millerが、提案された機構についてNews & Views(p.532)で論じている。

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