Nature ハイライト

Cover Story:采配を振るうDNA:塩基の対合によってプログラムされるデザイナー・ナノ結晶

Nature 451, 7178

DNA中の塩基の対合によって有用な材料の結晶化を誘導できるのではないかという発想は、ナノテクノロジーにとって魅力的である。ナノ粒子に付着させたDNAが粒子の集合に影響を与えることが初めて示されてから10年以上たった今、2つのグループがこのアイデアを実行に移した。Parkたちは、金ナノ粒子に付着させたDNA分子と粒子をリンクするのに使うDNA分子を選んで、ナノ粒子を面心立方晶あるいは体心立方結晶のいずれかに自己集合させられることを実証している。表紙の写真は、C Krumbholzが撮影した体心立方晶のクローズアップである(Letter p.553)。Nykypanchukたちは、体心立方晶が可逆的に形成され、ナノ粒子が格子体積のたった数パーセントしか占めないようにするDNAの設計と結晶化に必要な条件を明らかにしている(Letter p.549)。News & Viewsで論じられているように、このような進展によって、フォトニクスや磁気的応用、生物医学センシング、情報やエネルギーの蓄積にかかわる、規則正しい調整可能な3次元ナノスケール構造体の創出が可能になる(N&V p.528)。

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