地球深部の鉱物から水が失われることが地震の引き金となるようだ。地殻の下約50キロメートルより深いところで起きる地震は原因がよく分かっていない。そのような深さでは高温高圧のために、岩石は互いに「流れて」しまい、突然壊れて地震のような衝撃を生み出すことはないと考えられている。地下680キロメートルほどの深さで起きる地震は水のしみ込んだ岩石から水分が失われたときに発生する可能性があると推測する地質学者もいたが、このような原因では120キロメートルより深いところの地震を起こすことはできないという考えが主流であった。しかし今回H W Green IIたちは、室内実験によりこのような岩石が急激に脱水することで、300キロメートルよりも深いところで実際に地震を起こすことができることを示した。