ホウ素をほんの少し添加したダイヤモンドは、非常に低い温度で超伝導体となる。超伝導体は全く抵抗なく電気を通すので、より高性能の電気モーターの製作や新しい電力貯蔵デバイスに役立つ可能性がある。V A Sidorovたちは、およそ3パーセントのホウ素を含有するダイヤモンドが、摂氏マイナス270度近辺以下で超伝導体となることを発見した。この温度は、存在しうる最低温度「絶対零度」よりわずかに3度高いだけである。ホウ素を「ドープした」ダイヤモンドはすでに合成されていたが、今回初めて超伝導性を示すことが見出された。通常、ホウ素ドープ・ダイヤモンドは半導体である。半導体材料は、電気機器に使用されるトランジスタに欠かせないものであり、温度上昇とともに電気をよく通すようになる。超伝導体にもなりうる半導体材料が発見されることは極めて稀である。