Nature ハイライト 宇宙:海王星に新発見された衛星 2004年8月19日 Nature 430, 7002 巨大惑星の衛星は、2種類に分けられる。1つは、惑星の近くを順行(惑星の自転と同方向に公転)している大きな衛星であり、もう1つは、不規則な衛星で小さいことが多く、惑星から遠くて傾斜した離心軌道を持ち逆行している場合が多い。カッシーニ探査機が最近撮影したフェーべは、土星の遠くを回る衛星で、まさに後者の例である。しかし海王星の衛星は、この説にぴったりとは当てはまらないと考えられてきた。巨大衛星トリトンは1846年に発見され、冥王星と同じくらい大きいにもかかわらず、逆行している。ネレイドは、カイパーが1949年に発見した小型の衛星で、非常な離心軌道を回っていて、捕獲された小惑星かもしれない。ボイジャー2号探査機は、もっと小型でトリトンよりもさらに海王星の近くを回る衛星6個を発見したが、最近ほかの巨大惑星で見つかったような遠くを回る不規則衛星は、海王星では知られていなかった。これは、トリトンが捕獲された際に起きた激変によって、遠くを回る衛星が全部はじき飛ばされたためと考えられていた。しかし、今週号のM J Holmanたちの報告によれば、海王星の遠くを回る衛星5個が新たに加わった。2個は順行軌道を持ち、3個は逆行軌道を持っている。これらの衛星は、ことのほか暗くて直径30〜50 kmととても小さく、捕獲された小惑星であると思われる。 2004年8月19日号の Nature ハイライト Outlook:マラリア特集 宇宙:海王星に新発見された衛星 生物工学:細胞表面を加工する 医学:曲がりすぎる線虫 地球:南北半球間のシーソー 細胞生物学:ZENというモーターと細胞周期 目次へ戻る