Nature ハイライト

発生:心のバランスにかかわる因子

Nature 455, 7217

神経回路が正常に機能するためには、興奮性シナプスと抑制性シナプスの数のバランスがうまくとれていなくてはならない。活動依存的なシナプス形成、特に抑制性シナプス形成に関与する細胞内シグナル伝達経路については、ほとんどわかっていない。今回、新たな研究によって、脳細胞でシナプスの興奮と抑制の恒常的バランス維持に働く「マスタースイッチ」として、転写因子Npas4が同定された。自閉症やてんかん、統合失調症などの神経疾患では、このバランスが崩れていると考えられている。Npas4は200個以上の活動依存的遺伝子の発現を制御しており、この働きにより、興奮性ニューロンを形成するGABA介在性シナプスの数を制御する。

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