Nature ハイライト

医学:リステリア菌の感染を助けるGILT

Nature 455, 7217

リステリア菌(Listeria monocytogenes)は、人と動物の両方で重篤な疾患を引き起こすことがある食事性の病原菌である。今回、酵素GILT(interferon-γ-inducible lysosomal thiol reductase)が、リステリア菌感染における重要な宿主因子であることが突き止められた。宿主体内にあるリステリア菌が膜孔形成毒素リステリオリシンO(LLO)を産生すると、貪食されたリステリア菌はマクロファージの細胞質中に脱出して、そこで増殖する。LLOが活性を示すには還元されなければならないが、この還元にかかわるのが宿主の酵素GILTである。GILTを欠損するマウスは、リステリア菌に抵抗性を示す。今回の研究は、抗生物質に対する耐性への懸念が高まりつつある疾患での新たな治療標的候補を明らかにしている。

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